23区と多摩市部の首長選で、図書館の公開質問を行いました(1次発表)

概要

東京の図書館をもっとよくする会は、統一地方選にあわせて、図書館の公開質問を行いました。回答は、4月15日までに集まったものを公表します。回答者は橋本やすこ(北区)、神沢かずたか(豊島区)、藤田まさみ(東村山市)、栁下進(東大和市)、岩田康男(三鷹市)の5人の方々です。その後に到着したものは、その都度追加していきます。

①東京23区と多摩市部の首長選の立候補予定者36名と②今回選挙のない区市についてはその首長33名に対し公開質問を行いました。併せて69名です。

回答は23区、多摩市部に分け、自治体名50音順とします。

23区、多摩市部への質問状を末尾に掲載します。質問6項目は共通で、項目の下の記述が若干異なります。

Ⅰ 回答

《北区》
◇橋本やすこ

1 指定管理者制度等の図書館の民間委託を続けることに賛成ですか。

「反対」

CCCでの大量の返却本の買取などコスト重視の運用は、司書の役割の軽視とその街の文化、歴史を軽視し、利用者の利便性や生涯学習意欲の低下に繋がると思います。

2 非正規労働者(民間委託に働く職員及び会計年度任用職員)の同一労働同一賃金の原則に基づく抜本的改善に賛成ですか。

「抜本的改善に賛成」

会計年度任用など雇用不安のあるままでは長期的な図書館運営やイベント企画などができなくなるため。

3 図書館数を削減することに賛成ですか。

「反対」

賃金のあがらないまま、税金は高くなり、福祉が低下している中で図書館の削減は教育、今後の未来の荒廃につながると思います。

4 司書職の採用に賛成ですか。

「賛成」

暖かなリファレンスサービスがないと資料や蔵書の検索も十分に機能しないと思います。

5 学校図書館法に基づく正規の学校司書の配置が必要だと考えますが、賛成ですか。

「賛成」

ただし、財源については調整交付金で措置すべきかについては分かりません。

6 資料費の増額に賛成ですか

「賛成」

街の本屋さん、出版社が減っており、業界としても紙離れから書籍数、出版数が減っており、高額となっているため。

《豊島区》
神沢かずたか

1 指定管理者制度等の図書館の民間委託を続けることに賛成ですか。

 反対

2 非正規労働者(民間委託に働く職員及び会計年度任用職員)の同一労働同一賃金の原則に基づく抜本的改善に賛成ですか。

 賛成

3 図書館数を削減することに賛成ですか。

 反対

4 司書職の採用に賛成ですか。

 賛成

5 学校図書館法に基づく正規の学校司書の配置が必要だと考えますが、賛成ですか。

 賛成

6 資料費の増額に賛成ですか

 賛成

《東村山市》
◇藤田まさみ

1 指定管理者制度等の図書館の民間委託を続けることに賛成ですか。

反対

東村山市では市立図書館に指定管理者制度はまだ導入されていません。私は、官製ワーキングプアの懸念とともに、指定管理者は期間が限定されており、管理者が変更された場合のサービスや質の継続性にも疑問があります。東村山市では現在、民間委託の拡大、指定管理制度の導入をさらに進めていく方針がありますが、私は将来的にも図書館に指定管理制度の導入は考えていません。

2 非正規労働者(民間委託に働く職員及び会計年度任用職員)の同一労働同一賃金の原則に基づく抜本的改善に賛成ですか。

 賛成

3 図書館数を削減することに賛成ですか。

 反対

4 司書職の採用に賛成ですか。

賛成

東村山市では図書館設置条例で館長の司書資格要件を都内で唯一存続しています。

司書有資格者の育成にも力を入れたいと考えています。

5 学校図書館法に基づく正規の学校司書の配置が必要だと考えますが、賛成ですか。

 賛成

6 資料費の増額に賛成ですか

賛成

図鑑、百科事典、デジタル図書なども拡充していきたい。

《東大和市》
栁下進

1 指定管理者制度等の図書館の民間委託を続けることに賛成ですか。

図書館の指定管理者制度に反対です。

ただし、東大和市ではすでに2か所の地区図書館(桜が丘・清原)が指定管理者制度に移行済みであり、この指定管理者制度を速やかに元に戻すことは困難です。中央館を指定管理にすることは、考えていません。

今後は市民主体の行政に転換し、市民主体の政策評価をしていきますので、指定管理事業についてもきちんとした政策評価をし、議会に指定管理者の事業報告書とともに政策評価結果を報告して意見を聞いていきます。図書館協議会の意見もこれまで以上に尊重していきます。

2 非正規労働者(民間委託に働く職員及び会計年度任用職員)の同一労働同一賃金の原則に基づく抜本的改善に賛成ですか。

一般論として、非正規労働者の待遇改善をすべきです。特に給与等の改善が必要です。

東大和市では「公契約条例」がありませんので、民間委託した場合の委託先の職員の労働条件に関与することはできません。公契約条例を今後どうするかについては、条例化の方針で考えています。しかし、現時点では、詳細内容は、これからです。

会計年度職員の労働条件については、東大和市でも改善を図らなくてはならない課題であると認識しています。また専門性に高い職務については、常勤職員対応とする等の改善をしていきます。

3 図書館数を削減することに賛成ですか。

図書館の削減には反対です。東大和市でも本館と地区館2館体制を維持していきます。

4 司書職の採用に賛成ですか。

公立図書館に司書を置かなければならないのは当然です。東大和市としても、今後計画的に採用・任用していきたいと考えています。

5 学校図書館法に基づく正規の学校司書の配置が必要だと考えますが、賛成ですか。

学校図書室などに司書を置いたほうが良いという認識はありますが、現時点では職員定数上や財政上の理由で困難であると考えています。

6 資料費の増額に賛成ですか

これまで東大和市でも行財政改革が進められ、資料購入費の予算カットなども進められてきましたが、今後は可能な範囲で資料費を現在よりは増額したいと考えています。

三鷹市
◇岩田康男

1 指定管理者制度等の図書館の民間委託を続けることに賛成ですか。

 反対

2 非正規労働者(民間委託に働く職員及び会計年度任用職員)の同一労働同一賃金の原則に基づく抜本的改善に賛成ですか。

 賛成

3 図書館数を削減することに賛成ですか。

 反対

4 司書職の採用に賛成ですか。

 賛成

5 学校図書館法に基づく正規の学校司書の配置が必要だと考えますが、賛成ですか。

 賛成

6 資料費の増額に賛成ですか

 賛成

Ⅱ 質問状

1)区立図書館政策についての公開質問

1 指定管理者制度等の図書館の民間委託について

図書館の指定管理者制度等民間委託はコスト削減を目的としたため、官製ワーキングプアを大量に生み出しました。このまま民間委託を続けることに賛成ですか。

2 非正規労働者₍民間委託に働く職員及び会計年度任用職員)の待遇改善について

図書館非正規労働者の待遇改善の運動が広がっています。自治体雇用の会計年度任用職員については、待遇改善を図るべき2020年度の制度切替え時にも据え置かれました。同一労働同一賃金の原則に基づく抜本的改善に賛成ですか。

3 図書館の削減について

図書館は、区民がだれでも自由に利用できる居場所であり、貧富にかかわらす学習し文化を享受できる場所です。身近にあってこそ役に立ちます。図書館数を削減することに賛成ですか。

4 司書職の採用について

要求に応じて資料や情報が提供されることは民主主義社会を維持する基本です。資料や情報をいち早く正確に提供するためには、専門職で正規の司書の育成が不可欠です。司書職の採用に賛成ですか。

5 学校司書の配置について

私たちは、学校教育を豊かにするために学校図書館法に基づく正規の学校司書の配置が必要だと考えます。また、そのための財源は特別区財政調整交付金で措置すべきと考えますが賛成ですか。

6 資料費の増額について

1000円以上の本には手が出せない家庭が少なくありません。区民の学習要求に応えるために資料費の増額が必要です。また、デジタル図書も区民の要望するところです。特別区財政調整交付金の資料費算定を増額することに賛成ですか。 

2)市立図書館政策についての公開質問

1 指定管理者制度等の図書館の民間委託について

図書館の指定管理者制度等民間委託はコスト削減を目的としたため、官製ワーキングプアを大量に生み出しました。このまま民間委託を続けることに賛成ですか。

2 非正規労働者₍民間委託に働く職員及び会計年度任用職員)の待遇改善について

図書館非正規労働者の待遇改善の運動が広がっています。自治体雇用の会計年度任用職員については、待遇改善を図るべき2020年度の制度切替え時にも据え置かれました。同一労働同一賃金の原則に基づく抜本的改善に賛成ですか。

3 図書館の削減について

図書館は、市民がだれでも自由に利用できる居場所であり、貧富にかかわらす学習し文化を享受できる場所です。身近にあってこそ役に立ちます。図書館数を削減することに賛成ですか。

4 司書職の採用について

要求に応じて資料や情報が提供されることは民主主義社会を維持する基本です。資料や情報をいち早く正確に提供するためには、専門職で正規の司書の育成が不可欠です。司書職の採用に賛成ですか。

5 学校司書の配置について

私たちは、学校教育を豊かにするために学校図書館法に基づく正規の学校司書の配置が必要だと考えますが、賛成ですか。

6 資料費の増額について

1000円以上の本には手が出せない家庭が少なくありません。市民の学習要求に応えるために資料費の増額が必要です。また、デジタル図書も市民の要望するところです。資料費の増額に賛成ですか。